大覚寺の観月の夕べは、1200年前に起源のある由緒ある行事です。
嵯峨天皇(西暦809年即位)が中秋の名月に、大沢池に舟を並べて遊ばれ、宮遊びとして定着させたことが始まりといわれています。
大沢池は日本最古の庭園で、平安時代に作られました。
そんな歴史の深い雅な行事を紹介します。
観月の夕べの開催日程と場所
公式サイト
開催日程
時間:17時30分~21時(20時30分受付終了)
※毎年、中秋の名月に開催されます。
<過去の開催日程>
2022年9月10日(土)~9月12日(月)17:00~20:30受付終了
2018年9月24日(月)~9月26日(水)16:30ぐらい〜
2017年10月4日(水)~10月6日(金)16:30ぐらい〜
開催場所
大覚寺の由来
もともと嵯峨天皇の離宮として建てられた建物が、そのあと空海のもとで真言宗の大本山となりました。
大覚寺となったのは貞観18年(876年)というから、約1200年ほど前のこと。
この格式の高い寺院は、明治時代まで代々皇族関係者が住職を務めていました。
「いけばな嵯峨御流」の家元でもあります。
観月の夕べの起源
『観月の夕べ』は唐の国の洞庭湖を模して作った大沢池にて、嵯峨天皇が空想の動物を船首につけ、中秋の名月に宮遊びをしたのが起源となっています。
観月の夕べの楽しみ方と見どころ
平安貴族も楽しんだ風流な夕べ
大沢池は、大覚寺の庭園にある巨大な池。
この池は、平安の世からほぼ姿を変えていないそうです。
鏡のように静かに水面に、美しい月が映りこむ9月の中旬。「観月の夕べ」では、小舟に乗って池を周遊することができます。
舟に乗って月をながめると、平安貴族もこのように楽しんだのかな?と、はるか昔の時代に思いを馳せることができます。
小舟にて約20分、ゆっくりと大沢池を一周しました。
拝観料:大人500円
舟席券:1000円
舟に乗るとき気をつけること
船に乗る時間は、17時台、18時台、19時台、20時台と4回にわけられています。
“観月”ということで、月をじっくり楽しみたければ、月が昇り周りが暗くなる19時台か20時台の舟に乗ったほうが良いです。
17時台、18時台はまだ明るさが残る時間帯。この時間帯は、池の様子を楽しむことができます。
大沢池には立派な蓮が茂っており、ときどき花が咲いていることも。残念ながら、暗くなってしまうとこれらは見ることができません。
私は18時台の舟に乗ったのですが、暗くなってから池に映る月がとてもきれいで、次は19時以降の舟に乗りたいなと思いました。
小舟は龍頭舟か鷁首舟
小舟は龍頭舟か、鷁首舟になります。
大沢池は、唐の洞庭湖を模したもの。唐の皇帝は、洞庭湖に空想の動物の頭をつけた舟を浮かべて、水上の遊びを楽しみました。
その文化が日本に伝来し、龍頭舟や鷁首舟で水上を巡るのが宮遊びとなりました。
ところで、龍頭舟は龍の頭ですので分かるとしても、鷁首舟の「鷁」がよく分かりませんよね?
鷁は中国の空想上の水鳥で、どんな強風に見舞われても飛び立つことができると言われています。
そんな鷁が船首についていれば、舟が沈むことなどありえないので安心。ということみたいですよ。
風流を楽しむ大人の雰囲気
アトラクションというよりも、雰囲気を楽しむ風流なものという感じで、小さなお子さんを連れた方は舟に乗っていませんでした。
お子さんがしっとりとした雰囲気を楽しめるような年頃になったら、舟に乗せても喜ぶんじゃないかと思います。
池の周りで遊ばれているお子さんは見かけましたけどね。
お茶席
大覚寺内にお茶席が用意されており、お茶席用のチケットを買えば、抹茶とお菓子を楽しむことができます。
お抹茶を飲みながら池に映る月を楽しむのも風流だと思います。
時間:17時以降
御代:800円(お抹茶とお菓子付)
※1席15分の制限時間があります。
※当日販売分がなくなり次第終了です。
ライトアップされた多宝塔と屋台
大覚寺の境内にある多宝塔もライトアップされています。
多宝塔前の広場では、地元のお店が露天を出しており、そこでお団子、お菓子、うどんなどを食べて一服することができます。
茶屋のような席も用意されていて、買い物をした方はそこで食事をとっていました。
席の方はわりと空いていましたよ。
観月の夕べの混雑状況
17時台、18時台、19時台、20時台の4枠のチケットが15時頃から売られています。チケット売り場には、買い求める人達の列がすこしできていました。
月が最もキレイな19時台は人気があるようで、早々に売り切れていました。
19時台を狙うのであれば、早めにお買い求めになったほうが良いでしょう。その他の枠は、16時くらいでも買うことができました。
観月の夕べのアクセス情報
車で行く場合、駐車場の確保が難しそうです。
市バス・京都バスの「大覚寺」停留所を利用するのが良さそうです。
行き帰りともに本数も多く、それほど混雑した印象はありませんでした。京都市内はバスが便利ですので、基本的にバスが便利ですよ。
JR嵯峨「嵐山駅」や京福「嵐電嵯峨駅」からも徒歩20分ほどでアクセスできます。
電車の場合
JR「嵯峨嵐山駅」から徒歩約17分。
京福「嵐電嵯峨駅」から徒歩で約23分、
バスの場合
京都市バス・京都バス「大覚寺」下車。
車の場合
駐車場は車30台(2時間:500円)しか停められません。
観月の夕べに行く方へ
舟のチケットを確実に手に入れるため早めに大覚寺に行くと、乗船時刻までの待ち時間ができてしまいます。
大覚寺内にとどまり時間とともに変わっていく風景を楽しむのも良いかもしれません。
ですが大覚寺の周辺にはお抹茶カフェ、お豆腐屋さん、おいしいおばんざいを提供するお店など、たくさん休憩するスペースがあります。
軽食がてら散策して、京都の雰囲気を楽しむこともできますよ。
まとめ
大覚寺の観月の夕べは、大沢池に小舟を浮かべて、ゆったり月をながめるイベント。
太陽が沈んで、暗くなってからの方が楽しめると思います。
船に乗るなら19時台か20時台が、良いと思いますよ。
ライトアップされた境内が池に反射しているのも綺麗ですしね。
夜のイベントですので、大覚寺の周辺の宿を押さえておくと帰りが楽です。