海外でも有名になってきた青森ねぶた祭。
※お隣にパクられるぐらい
その最高の楽しみ方は、ハネト(踊り手)になってお祭りで踊ること。
青森ねぶた祭は、ハネトとして誰でも自由に参加できます。
言葉では伝えにくいのですが、囃子に合わせてハネトとして踊っていると、体の内から熱いものが湧き上がってきて周囲との一体感が生まれます。
青森県民である私が、ハネトの魅力や由来、参加する上での注意点など解説します。
青森ねぶた祭のハネトってなんだ?
ハネトは漢字で書くと『跳人』。
読んで字のごとくですが、跳ねる人です。
青森ねぶた祭りの踊り手として、山車、囃子と供に練り歩き、お祭りを盛り上げます。
なぜ『ハネト=跳人』と呼ぶのか?
それは踊り方に特徴があるからです。
片足で2回づつ順番にピョンピョン跳ねます。ケンケンパの『パ』がない状態ですね。
ねぶた1台ごとに500〜2000人のハネトが付き従うんですよ。
お祭りの期間中に、のべ9万人がハネトとして参加します。
青森ねぶた祭のハネトの由来
青森県の荒川村(今は青森市に吸収された)で行われていた、ねぶた祭りの踊り手たちが起源となりました。
当時のハネトは遊女の赤襦袢をきて鼻にだけ白粉(おしろい)を塗り、頬被りをしたり花笠で顔を隠したりしてましたが全員男。
これがなんとカッコ良くて流行ったようです!
傾奇者的なカッコよさだったんでしょうかね?(^_^;)
青森ねぶた祭の掛け声「ラッセラー」の変遷
ラッセラーの掛け声も、もとは全くべつの歌でした。
「ねーんぶたーもながれろー
まーめの葉っこもトッツパレ
いーやいやいーやよ」
↓
「出せ出せ出せよ、出さねばかっちゃぐぞ」
↓
「いっぺ出せ、いっぺ出せ、ががしこがん」
↓
「ラッセラー、ラッセラー、ラッセラッセラッセラー」
出典:ねぶたの家ワ・ラッセ 第5回 やさしいねぶた学 昔は女装ハネトだった
このラッセラーに、「馬鹿っぱね」と言われた当時の踊りが組み合わさり、そのカッコ良さから爆発的に流行ったのが始まりのようです。
やっぱりカッコ良いのかな?
青森ねぶた祭のハネトの魅力とは
青森ねぶた祭りの熱狂は、見ているだけでは味わい切れません。私自身、何回か参加したことがあるので分かりますが、日頃抑えられているものが内からワーッと沸き上がってくるような喜びがあります。
伝わりますかね?(^_^;)
そしてその勢いのまま、老若男女入り混じったハネトの集団は、一体感をもって街中を練り歩きます。
ハネトとして参加するには、運行前に待機しているねぶた集団の中に、『ひょい』っと入るだけ。
団体などへの登録などは必要なく完全に自由なのです。
ただしクローズドな団体もあるので、そういったねぶたの集団は避けて、一般の参加者が多いところへ加わるのが良いと思います。
6日間続く青森ねぶた祭の4日目にハネト賞というものがあるので、ガンガン跳ねてみてください。
青森ねぶた祭のハネトには正装がある
ハネトには正装があるので、それに従う必要があります。
ハネトは、
- 花笠
- たすき
- おこし
- しごき
- 足袋
- 草履
などを用意する必要があります。
そういわれると面倒ですが、揃えるのは簡単です。
青森ねぶた祭りが近くなってくると、青森駅周辺のデパートや衣料品店など、そこかしこでねぶたの衣装を購入orレンタルできます。
購入すると全部で1万円ぐらい、レンタルだと4千円ぐらい。
着方が少し難しいので、お店の着付けサービスを利用したほうが良いと思いますよ。
また当日は鈴をたくさんつけて参加してください。
近年ハネトの落とした鈴が『幸運の鈴』として人気になってます。沿道にならんでいる小さい子供たちにあげると、とても喜んでくれますよ。
鈴はたくさん落とすつもりで身につけてください。
青森ねぶた祭にハネトとして参加する上での注意点
ハネトとして参加する際は、脚のコンディションに注意ください。
数時間ぶっつづけで跳ねるので、ふくらはぎがヤバいです。
跳ねている間は夢中で気が付かないのですが、終わったあと足が自分のものでは無い感覚に襲われるんですね。(;´Д`)
アキレス腱などの準備運動を十分に行い、こまめな水分補給も大切です。
イザという時に助け合えるよう、なるべくご家族、友人と参加されることをオススメします。
ハネトの踊り方マスター
ハネトの踊り方は、ピョンピョンと片足ずつ2回飛びます。その繰り返しになるのですが、ひねりやジャンプの高さ、脚のクロスを加える事により、美しい踊りになります。
ハネトマスターの動画を観るのが早いと思いますので、よければ見てみてください。
青森ねぶた祭のハネトのルール
- みんなが楽しめる明るい祭りにしよう
- ねぶた出発30分前までに待機場所に集合しよう
- 花笠をかぶり正装で参加しよう
- 運行委員の指示に従おう
- ねぶた囃子と関係のないホイッスル等の持ち込みはやめよう
- 行列の中で花火の打ち上げや爆竹、一升瓶の持ち込みや空缶の投げ捨ては危険ですからやめよう
- 運行中の逆戻りや途中からの参加はやめよう
- 消防車や救急車が出動した場合は、速やかに道路を空けよう
ハネトのルールを守らないと、次に紹介する「カラスハネト」と思われてしまいます。
カラスハネトにご用心
ハネトとして参加するときはキチンとした正装を心がけてください。
というのも、だらしない着方をしているとカラスハネトと思われます。
カラスハネトは迷惑者集団として忌み嫌われる存在ですので、勘違いされないよう注意が必要ですよ。
ようするにカラスハネトは、悪ぶりたいお年頃のヤンチャーズ(若者達)。キチンとするのがカッコ悪いと思っているらしく、乱れた格好や黒っぽい衣装を好みます。
過去には傷害事件を起こしたり逮捕者が出たり、観光客も大怪我をおったりしています。
しかし近年では『青森県迷惑行為等防止条例』という条例ができ、警察が動くようになりました。
以前と比べるとかなり安全になったと思います。
それでも乱れた格好や黒っぽい衣装のハネトの集団を見つけたら、関わらないでください。
まとめ
ハネトの由来を知り、好奇心があればもう十分。
今年こそはハネトとして参加して、一緒に青森ねぶた祭を盛り上げましょう。
リズム感がなくても、踊りが下手でも大丈夫。
途中で疲れ果てて棒立ちで歩いている人もいますよ。
今年の夏は『ラッセラー』で決まりですね!
それでは青森ねぶた祭の日程と見どころをこちらの記事で確認しておいてください。